非常時対応の太陽光発電を紹介します。
(株)果無様のバッテリーシステム
 電力会社側が停電した場合、これまでの連系システムでは、バッテリーを持たないため、夜間供給が出来ない等、その能力が非常に制限されてしまいます。地震の到来が秒読みになっている現在、防災対応のシステムの確立は焦眉の課題です。ここでは、2005年3月に連系を開始した、(株)果無様の事例を紹介します。 
1.全体の仕様
 太陽電池....SQ80P、シェルソーラー単結晶モジュール、12直×10並列=120枚、公称出力9.6kw、実出力10.11kw、202.8V・47.6A
 連系用インバーター....SPI-10K、佐藤電機工作所、定格10KVA、屋外自立盤内収納
 接続箱....NTBO6、シェルソーラー、6回路、2台
 発電表示器....操作盤に組込み
 バッテリー....201Ah、168V、再生バッテリー2V単セル×84直列、
 単相/三相インバ−タ−....ポンプ用750wは、SPI-10Kに内蔵、エアコン用11kwは、屋内盤収納
 その他....操作盤、エアコン切替盤、非常用コンセント
2.システムの説明
 このシステムの特色は、以下のようです。
 *バッテリーをかかえているので、非常時にも最大約30kwhの供給能力があります。
 *非常時における単相!00Vは、既設分電盤脇に新設した非常時対応の分電盤(3P30A6回路、3台)を介して、供給されます。三相のポンプへは、連系用インバーター自立盤より、直接に供給されます。
 *バッテリーは、再生品を利用しています。
 *電灯電力から、三相動力の電気を供給します。
 (株)果無様は、酵素風呂のフランチャイズ本店をなさっています。富士山が真正面に見えるちょっとした高台にあり、南には何も遮るものがない、太陽電池にとっては理想的な作りとなっています。太陽電池にとってだけではありません。いっぱいの日の光を浴びて、工事する我々にとっても理想的でした。ちょっと手を休めると、ゆったりとした富士の山。
 お話は、地震からでした。ここには美味しい地下水があり、それを三相交流のポンプで汲み上げて、水道に利用しておられます。「研修・宿泊施設でもあるので万が一の時に、水だけは確保したい、あわせて単相100Vの電気が使えればいい」
 現在市販のインバーターの多くは、バッテリーを抱えることは出来ません。非常時には、日の光がある間、若干の電気が使える程度です。その点、佐藤電機のインバーターはバッテリーを抱えることも出来ます。風車とのハイブリッドも問題なく可能です。トランスタイプなので、トランスを交換すれば、訳なく20kwまで対応してしまいます。
問題は、バッテリーのコストでした。5、6年で交換しなければならないとなると、高額な新品は使えません。果無様は、再生バッテリーを採用されました。一度だめになったバッテリーを再生させたものです。コストは1/3以下となりました。。